2022年ラスト
今年最後の日。
次女の移植待機666日目です。ゾロ目!!
またあっという間の1年が過ぎました。
今年の始め、次女は今年中に家に帰ってくると思っていました。
まだまだ現実は厳しかったようです。
非現実的だった日々が段々と現実的な日々になって、取材を受けた記事を読んで客観視すると、あーこんな出来事が自分たちに本当に起きてるんだなと改めて実感させされました。
ただ、ゆっくりながらも次女の成長が感じられたり、一晩だけ家族4人の時間がもてたり、厳しい中でも楽しいことがありました。
また気になっていた長女の検査結果は、幸い一安心できる内容でした。
遺伝性の否定はできないため今後1年ごとに検査となりますが、今はとにかく大丈夫だという確認がとれただけでもホッとしました。
先日、私の2週間ごとの次女付き添いとしては最後の回が終わりました。
今後は年明けに復職し、妻が付き添いを継続します。
私は週末前後など短期で交代できる機会を作っていきます。
生活の変化で夫婦も長女も戸惑いそうですが、全ては次女のためで、ここからはそう長くかからずに巡り合わせがくると信じて乗り越えていきます。
2023年が幸多き年になりますように。
いつになれば
移植待機655日目です。
次女は今日も巡り合わせを待ちます。
少しずつ術後の不安定だった状態は良くなってきています。
熱は下がり、機嫌もかなり良いです。
しかし経口での水分摂取量がなかなか増えず、睡眠もまだ少し浅いようでちょくちょく泣いて起きます。
完全復活まではあと少しかな!
ニュース記事を1つ紹介します。
次女と同じ病気を患い、日本での心臓移植を目指して3年4ヶ月にわたって闘いましたが、残念ながら移植を受けられることなく亡くなられた男の子がいました。
お母さんの言葉が深く刺さります。
https://www.sankei.com/article/20221219-NF2UWKDZ3RMU7OLUSVESIROFKM/
悲しいし、こんなに頑張った子が救われないことに怒りすら覚えてしまいます。
記事にも書かれていますが、今この男の子を越えて長く移植を待っている子もいます。
体調を崩しながら、明日の保証がない中で毎日闘っています。
移植医療に対してはいろんな意見があります。
”人の死を願っているのか”
”人から臓器をもらわなきゃ生きられないなら、それが寿命だと思ってあきらめるべき”
”家族が心臓を差し出せばいいのでは”
発信をしていると否定的な言葉を受け取ることも多いです。
ガン治療などと違い、当事者になる人が少ないうえ、臓器を与えてもらうという特殊さがどうしても賛否両論を生んでしまうのかもしれません。
しかし否定的な言葉に含まれている内容は、正直に言えば当事者にとっては言われなくとも何度も頭をよぎり、考えたことです。考え続けていることです。
移植を望むことが人として正しいのか、自信をもって正しいと言えることなどありません。
移植に対する否定に近い気持ちは、当事者だって心の中にはあります。ずっと悩み続けています。
でもそれらを差し置いても、家族を助けたいし生きてほしいという気持ちが1番だから、移植を望むんです。
これを自己中心的だと言われるなら否定はしません。
ただ、単純なことではないです。
それでも移植医療は、海外では当たり前に行われている医療です。
一体いつになれば、どれだけの子供が億単位のお金を集めて渡航したら、どれだけの子供が移植できずに亡くなったら、日本の移植医療は変わるのか。
記事を何度も読んで歯がゆくなります。
一泊だけ、家族の時間
移植待機639日目です。
次女は今日も巡り合わせを待っています。
次女の術後の体調はなかなか良くなりませんが、原因が免疫反応にあるのかもしれないという見解を新たに医師から聞きました。
これまでも体に異物を入れていましたが、今回オペで取り替えたことで改めて体が強く反応しているのかもしれません。
じきに治まってほしいです。
そして12月2日から3日に、我が家にとって特別な時間がもてました。
長女の心臓について詳しく検査するため一泊入院となったのですが、せっかくの機会だからと、なんと次女と同室にしてもらえました〜!!
それぞれに親が付き添っているので、一泊だけ家族4人そろって過ごせました。
思わぬ形で家族の再会が果たせました。
姉妹が互いにどんな反応をするのかとドキドキでしたが、、
長女は再会してすぐにおもちゃや絵本で妹を喜ばせようとしてくれました(泣)
次女は姉に戸惑い、驚いて泣きまくりでしたが、徐々に慣れてきて隣にいても受け入れ、ジーッと姉のことを見つめていました(泣)
はじめは親が2人を近づけようと仕向けていましたが、2人の様子を見ているとそんなことは不要だと分かりました。
1年10ヶ月ぶりでも、姉妹はちゃんとお互いを認識していて、絆があるようでした。
自然に隣にいてお互いを受け入れている姿を、目に焼きつけました。
君たちはほんとにすごいわ。。
次女が処置で泣いているのを見るのが嫌で長女は病室を出たがりましたが、すぐ外の窓から覗き「がんばれー」と応援してくれました。
また長女が大嫌いな注射を打つときや薬を飲むときには「〇〇(次女)がんばってるから、ねーねもがんばるよ」と言って頑張ってくれました。
パパママを泣かせにきてる!!
家族が同じ空間にいるなんて、本来当たり前のことです。
たった一泊でしたが、今の我が家にとっては夢のような時間です。
これまで次女の発症前に1枚しか撮れていなかった家族写真も撮れました。
娘たちからまたまた元気をもらい、今後に向けて頑張れそうです。
次女の体調が復活することと、長女の検査結果が安心できるものでありますように。
そして次は家で一緒にいられる日が来ますように。
術後
移植待機634日目です。
次女は今日も巡り合わせを待っています。
先日の開胸手術後、5日間でICU管理が終わり病室へ戻ってきてくれました。
ICU管理中は会える時間が少なかったためか、病室に戻って親父の顔を見るとすごく怒って泣いていました。
おい!どこにおったんや!!(怒)
と言われてる気がしました。
その後の経過は残念ながら順調とはいかず、発熱と寝不足と闘う日々です。
術後は感染症にかかりやすく、しかも人工心臓のチューブを替えたため挿入部の感染はとくに要注意な状況です。
熱の原因が感染症によるものか各種検査をしていますが、今のところ特定できていません。
ひとまず抗生剤の点滴と熱が高く辛そうなときは解熱剤で対応しています。
熱のしんどさでほぼずっと機嫌が悪く、昼寝も夜間もすぐに起きて泣いてしまいます。
眠くなる薬を使っても何度か起きるほど、眠りが浅いようです。
以前はある程度通用していたあやし方も全く効果なく、付き添う側としてもかなりきつい状況です。
しかしここ数日、本当に少しずつですが、機嫌や睡眠が落ち着く兆しが見えてきました。
酸素チューブが外れ、時々以前のような笑顔も見せてくれるようになってきました。
この調子で完全復活してくれますように!!
熱の原因は今も分かっていませんが、次女の現状とこれまでの検査結果から危険な重い感染症の類ではなさそうだと言われました。
どうかそうであってほしいです。
最近ドラマ「PICU」で心臓移植を待つ子供の話が連続して描かれていますが、その中でも言及されているとおり感染症にかかっている間はたとえドナーと巡り会えても移植を受けられません。
経過を見守っていきます。
手術
移植待機621日目です。
次女は今日も巡り合わせを待ちます。
最近、次女に繋がっている補助人工心臓エクスコアの警報音が頻繁に鳴っていました。
ただこれといった実害は出ておらず、次女本人もいつもと変わらず元気いっぱいでした。
しかし警報音が1日に50回以上、昼夜を問わず、という状況でした。
さすがに多すぎるということで昨日検査をしたところ、本人の心臓内に入っている、エクスコアのチューブ先端部分の血流がやや悪くなっていることが分かりました。
その原因としてチューブ先端に血栓ができたか、心筋の一部が邪魔をしているか、などが考えられましたが、いずれにしても放置すると急に血流が止まり致死的状態になる可能性があるということで、緊急で開胸手術を行いました。
急な出来事で、説明を聞いて同意書にサインするときも私は混乱していました。
頭の中には1年8ヶ月前にエクスコアを着けたときの記憶が浮かびました。
何が始まるのかわかっていない様子の次女でしたが、私と離れて手術室に入るまで、泣くことなく良い子でいたそうです。
成長してるし、強い子だなと思います。
6時間の手術を無事に終え、昨日の夜中にICUで再会しました。
麻酔でまだ眠っていましたが、全身にたくさんの管が繋がり、胸に開いた傷がある状態でした。
つい数時間前までニコニコしてベッドの上で遊んでいたのに。
今日は徐々に意識が戻ってきているようで、小さく声を出したり、手をわずかに動かしたりできていました。
数日間はICU管理になるため、私が会えるのは1日15分だけになりました。
早く病室に戻ろうな。
感染症などにも、いつも以上に気をつけなければいけません。
この急激な出来事で、改めて覚悟をもって移植待機を続けなければならないことを実感しました。
病室に戻ったらいっぱい遊びます!
きみは最高だよ、強い子!
繋げる
移植待機616日目です。
次女は今日も巡り合わせを待ちます。
最近、次女のことを応援してくださっていた方の訃報に直面しました。
その方は29年前にアメリカで心臓移植を受け、移植に対して強烈な批判があった当時の日本で、移植普及のために啓発活動を始められました。
周囲から
「人殺し」
「あなたには人の命を奪って生きる価値があるのか」
などの言葉を浴びせられ、いつか自分は殺されるんじゃないかと思っていたそうです。
そんな中でも移植に反対する団体の講演会にあえて出席して必要性を訴えるなど、移植を待つ他の患者のために尽力されました。
各啓発イベントやアメリカでの渡航移植を目指す子供への支援、臓器移植法の制定にも関わり、後世の移植医療を大きく進展させることに貢献されました。
しかし移植後は決して良い状態が続いたわけではなく、度々入院することもあり、十数年前から心臓の再移植登録をしていました。
お会いして話した際には、そのような波乱万丈の人生を歩んできたとは思えないほど気さくで優しい方でした。
コロナが落ち着いたら次女にも面会したいと言っていただいていたので、突然の訃報を聞いて本当に残念です。。
亡くなる数日前にやり取りをした際、
「移植を受けて幸せだけど、移植手術の麻酔が入る瞬間まで、自分の心臓が何かの間違いで治ってくれないかと願っていた。病気と無縁の人生を経験したかった」
とおっしゃっていました。
たまたま聞けた本音だったのではないかと思いました。
移植啓発に関して多くの言葉を残されましたが、
特に印象的だった言葉は
「臓器提供は良いこと。絶対に良いこと。
では提供しないのは悪いことか?
違う、それは普通のこと。
臓器提供に悪い選択肢なんて存在しない。
日本とアメリカの違いは、
臓器提供を良いことだとはっきり言い切れるかどうかだと思う。
移植後、アメリカの街で出会った人々に移植を受けたことを伝えると
『それは良かったな!お前はラッキーだ!ドナーに感謝しろよ!』
と返された。
これは移植や臓器提供を良いことだと認識していなければ出ない言葉だと思う 」
考え方1つで言葉や行動は変わるということを教わりました。
次女が無事に移植を受けられたら、報告しに行きたいと思います。
声をあげてきた方がいたからこそ、日本でも移植や臓器提供について耳にすることが少しずつ増えてきたように思います。
いま放送されているドラマ「祈りのカルテ」「PICU」では、拡張型心筋症と移植についての話がありました。
これが近い将来、移植でのさらなる救命増加まで繋がることを願います。
繋げるためにできることをします。
生活の変化
移植待機613日目です。
次女は今日も巡り合わせを待ちます。
あっという間にこのブログを書き始めて1年が過ぎました。
書き始めた頃は、1年後には次女は移植を受けられていると思っていました。
今年も残すところ2ヶ月を切っています。
年が明けるとすぐに次女が2歳になり、我が家の生活は大きく変わります。
次女が2歳になると同時に夫婦とも育休手当がなくなるので世帯収入ゼロになります。
そのため、私はそのタイミングで仕事に戻ります。
年明けの復職に向けて手続きを終えました。
その後の私の生活は、仕事と長女育児の両立を目指すことになります。
仕事ありでの完全ワンオペは初めてなので、うまく回るのか不安です。
保育園のお迎え時間を考えると、残業は1分たりともできません。
次女の付き添いは妻が継続します。
コロナ禍が続いているため、病院が定めた付き添いの厳しい制限(外出禁止、面会禁止、交代時必ずPCR、短期間での交代禁止)は緩和の予定がありません。
これに加えて看護行為の代行(薬の管理と投薬、体ケア、消毒補助)や、日によってはシャワーが浴びれなかったり寝られなかったりと、付き添いはそもそも厳しい環境です。
これまで夫婦交代しながらでもぎりぎりの状態でやっと耐えてきた環境なのに、今後は妻にほぼ任せることになります。。
お互いに本当に頑張らないと。
でも倒れたら生活は成り立たない。
巡り合わせがくる日はそう遠くないと信じて頑張るしかないです。