親父と娘〜心臓移植を越えて乾杯へ〜

同じ心臓病の娘と親父。娘の移植を乗り越え乾杯を目指す。娘を守るかっこいい親父でありたい。

965日

 

移植待機965日目。

今日も次女は巡りあわせを待ちます。

 

 

長い移植待機期間も、1000日が見えてきてしまいました。

最初に平均3年と言われたとき、心のどこかでなんやかんやそれまでには帰れるんじゃないかと思っていましたが、現実は甘くなかった。

付き添いをしている妻の育休ももう限界です。

 

 

次女は年が明けると3歳になります。

七五三はできるかな。

というかお宮参りもできてない。

生きていることすら奇跡な状況で、そんなことを考えるのは欲張りなのかも。

でも長女の七五三をしたのがついこの前のように感じて、もうあの頃に追いつこうとしてるんだなーと時の流れを実感する。

 

 

親にとっては、いま家族が一緒にいないのはイレギュラーな生活だと分かってるけど、長女や次女にとってはこれが当たり前になっている気がする。

早く普通の家族の在り方を姉妹に経験させてあげたいと強く思う。

 

 

 

この10月は臓器移植法ができた月で、制定日の16日を中心に各地でグリーンリボンデーと題してライトアップやイベント等が実施されています。

 

また、この時期は日本のなかなか進まない移植医療についての報道も普段よりは増えます。

が、一時的に話題に上がっても、浸透しているとは言えない状況です。

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/0090d3fa35fd70f463905fad78e247ab2d7c0c7a

この記事の最後にあるとおり、医療機関の体制が整わないことが移植が進まない大きい理由だと思います。

 

臓器提供を行うと、担当医は数日間缶詰め状態で大きな負担を抱えることになり、そのうえ報酬が出るわけでもない。

ICUの病床は他の患者を受け入れることが厳しい状態になり、病院の収支としては赤字になることもある。

これで病院として移植を積極的に進めようという話にはなり得ない。

 

アメリカでは担当医をサポートする組織的な仕組みができていて、病院に対して国から報酬も出る。

 

日本でも移植医療を担う病院や医師へのサポートを国がしてくれるようにしないと、啓発活動などでいくら認知を広めようとも前進は難しいと感じます。

 

 

 

そしてそんな中で、次女にはこの数ヶ月の間に、移植を受けられるかもしれないというコールがきました。

詳細はドナーになられた方の特定に繋がってはいけないため書けませんが、結果的には次女は移植を受けられませんでした。

 

しかし、日本のどこかで確かに移植で救われた命があります。

ドナーになられた方とご家族の尊いご決断に感謝しています。

 

また、このコールによって次女の待機順位が初めて分かり、今後への希望をもつことができました。

 

 

貧血や嘔吐も続いていますが、強く元気に育ってくれている次女はきっと家に帰れると信じます。


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