ドナーとレシピエント
数年前に、次女と同じ拡張型心筋症を患い、移植待機をしている女の子がいました。
その子は、レシピエント(移植待機者)からドナー(臓器提供者)となりました。
ご両親が取材に答えたニュース記事があります。
女の子自身もご両親も、どんなに苦しい状況だったかは想像を絶します。
どんな言葉を並べても、この女の子の尊さとご両親の気持ちには遠く及びません。
1つ確かなのは、この決断の尊厳は守られるべきであり、誰からも批判されるものでないという事だと思います。
この女の子からバトンを受け取った方々が、今も元気に暮らしていることを信じます。
そしてこれは他人事ではなく、ドナーの方との巡りあわせを待つという事がどういう事なのか、考えさせられました。
また次女にもいつ何が起きるか分からないこと、移植待機に必要な覚悟についても改めて認識しました。
これが私たちが選択した移植という医療であると。
また、後から知りましたが、このニュースには書かれていない事がありました。
それは、この女の子がつけていた補助人工心臓は大人用のもので、本来子供に使うものではなかったため不具合が多く、血栓もできやすかったということです。
私は以前ここのブログで、次女がつけている小児用補助人工心臓は2015年に日本で承認されたものと書きました。
上記の女の子は、これが承認される前に発症、移植待機となりました。そのため小児用補助人工心臓を使うことができなかったそうです。
この女の子のことがあった後、国は予定を前倒しして小児用補助人工心臓を承認したという経緯があります。
海外ではもっと前から小児用も使われていました。
物があっても制度が追いつかない。
また、制度があっても認識が広がらない。
日本の移植医療の大きなハードルだと思います。