親父と娘〜心臓移植を越えて乾杯へ〜

同じ心臓病の娘と親父。娘の移植を乗り越え乾杯を目指す。娘を守るかっこいい親父でありたい。

発覚と遺伝

 

昨日、毎月受けている私の検査がありました。

良くなっているわけではないですが、ほぼ横ばいで状態が安定しているので今後は3ヶ月ごとの受診でOKとの事でした。

親父も次女に負けず頑張ります。

 

 

自分の心臓に病気があると発覚したときの事を忘れてしまわないように書き留めます。長女にとても救われたエピソードでした。

 

去年の7月、次女の付き添いは妻、長女との自宅生活が私のときでした。

長女が恐竜を見たいというので、恐竜のオブジェがたくさんある大きめの公園へ出かけていました。

恐竜を見ると言っていたのに長女は公園内のゲーセンが気に入り、ずーっとチョロチョロ走り回っていました。

 

そのとき次女の主治医から電話。

焦り気味?のやや早口で

「早めに伝えた方が良いと思って電話しました。先日受けた超音波検査の結果で、大きいんです、お父さんの心臓も(なぜかこの倒置法の言い方を鮮明に覚えています)。次女ちゃんと同じです。まだ軽度に見えますが、投薬治療はすぐに始めたほうが良いと考えています」

 

これを聞いたときの第一印象は

やっぱりか

でした。

 

別にこれまで何か思い当たることがあったわけでもないのに、なぜかこの病気に遺伝性があることを知ったときから自分は該当する気がしていました。

完全に何となく。

 

なのでそのときは動揺することなく、落ち着いて通院の日程を相談し、電話を終えました。

 

その後、やっとゲーセンを離れてくれた長女とランチ。

屋台で注文したジャンキーな食べ物をベンチで。

 

そして長女が食べている姿を見ながら、この辺で動けなくなりました。

涙が出るわけではない、でも目頭が熱い。

 

長女がたくさん話しかけてくれました。

「なんでポテト食べないの?? おいしいのに。元気になるのに」

その後は長女が大量のポテトを落としてしまったりジュースを欲しがったりで、考える時間を私に与えませんでした。

 

しかしそれは大正解で、救われていました。

一人でいるときに聞いていたら、受け止められなかったかもしれません。

長女に感謝!!

恐竜も無事に見えました。笑

 

長女は今も親父の病気のことは分かっていない様子ですが、薬を飲んでいることは理解しているようで、時々「ちゃんとお薬のんだー?」と確認されます。

ありがとう!!

 

 

そして時々不安になるのが、そんな長女にまでこの病気が遺伝していないかという事。

去年8月の長女の検査では、心臓内部に似た傾向はあるが病気の定義は満たしていないのでセーフと言われています。

正直、似た傾向がある時点で恐怖です。

念のため毎年検査することになり、今年も夏に超音波検査を受けてもらいます。

ただ、この1年間のきみを見てきて、全く問題ないと親父は信じています。

 

 

 

病気の遺伝に関連して。

現代医療には「遺伝子検査」というものがあり、これを受けると将来的に発症する可能性がある遺伝性の病気が分かります。

この遺伝子変異をもっている場合はこの病気の原因になりうる、というように遺伝子変異と病気の因果関係が現代ではある程度把握できているために分かるそうです。

ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーがこの検査を受け、将来的に乳癌を患う可能性が高いことが分かり、すぐに両胸の全摘出手術を行なったことが数年前に報道されて話題になりました。

 

逆に病気の発症後にこの検査をすると、その人が原因の遺伝子変異をもっていたのかが分かります。

次女も発症後に受け、心筋緻密化障害と拡張型心筋症の原因となる遺伝子変異が見つかりました。

 

ただ遺伝子は非常に重大な個人情報なので、大人は自己責任で受けられますが、長女のように子供で何も発症していない場合には受けられません。

その場合は通常の検査で体の状態を見て兆候がないか定期的に確認したり、親の遺伝子検査の結果から子供へ受け継がれている可能性を探ります。

 

 

あー、健康の尊さよ。。